映像・APS-Cを考えると難しいレンズ選び
今回はSONYのFX30をはじめとするAPS-Cセンサーカメラに向けて、APS-C用レンズ3本を比較していきます!
今回の比較では、選ぶのが難しいズームレンズにフォーカスして比較していくので、単焦点レンズは全く比較対象に入れていません。
比較表をすぐに見たい方は目次から「各レンズ比較」に飛んでご覧ください。
それでは詳しくみていきましょう!
オススメレンズ3選
1|Tamron 11-20mm F2.8
とりあえずこれ。
広角を必要としているならこれ一択!
そう言っても過言ではないほど、このレンズは広角レンズとしてオススメのレンズです。
何よりF2.8通しという明るさが魅力的。
筆者もFX30を購入時に、このレンズを購入しています。
11-20mm(フルサイズ換算 16.5-30mm)という画角は、フルサイズレンズでいう16-35mmの大三元となります。
他のAPS-C用レンズは16mmスタートや18mmスタートが多いため、広角が必要な場面が考えられる場合はとりあえずこのレンズを購入することをオススメします。
また、比較的コンパクトで軽量(335g)なのもとても良い点。
軽いは正義 です。
また広角レンズですが、フィルター等を装着してもケラれにくい気がします。
NDフィルターに保護フィルターを装着してもケラれは確認できませんでした。
※ケラれとは、四隅にフィルター等が映り込み周辺減光を引き起こしてしまうこと
Point|純正とサードパーティー
SONYから10-20mmというレンズがありますが、F4通しなのが難点。
もちろんF4で十分なら、SONY純正の選択肢は大いにあると思います。
純正レンズは手ぶれ補正を「アクティブ」設定時にカメラと同調し、手ぶれ補正の効きが強くなります。
それに比べてサードパーティーのTamronやSIGMAなどは、「アクティブ」設定にはできるものの、手ぶれ補正の効きは純正ほどではありません。
と言っても正直広角レンズであれば、そもそも手ブレが気になりにくいため、気にしすぎなくて良いと思います。
Point|11mm〜
現時点(2022/11/14)でSONY APS-C用レンズ・F2.8通しズームを実現しつつ、ここまでの広角域まで使えるレンズはこのレンズのみです。
それだけでこのレンズの圧倒的な良さがあります。
後ほど紹介するレンズでも16mmスタートとなるため、11mmは圧倒的です。
Point|〜20mm
筆者の思うこのレンズの最大の問題点は、望遠側でも20mmという点です。
もちろん広角側が11mmスタートとなっているため仕方のないことだとは思いますが、20mm(フルサイズ換算30mm)ではまだ広角の雰囲気が映像に残ります。
何より重要な画角となる35mmに少し足りません。
35mmを使いたければレンズを交換しなければいけない…ということです。
フルサイズ用のレンズであれば16-35mmが主流ですが、これ1本で35mmまでカバーできるため便利です。
ちなみにFX30には超解像ズームというズーム機能がありますが、これに関してはフォーカスエリアが中央に限られてしまうため、ここではこれ以上触れません。
Point|ズームリングの向き
またズームリングの回す向きも各社異なります。
【SONY】時計回りに回す→ズームイン
【Tamron】時計回りに回す→ズームイン
【Nikon】時計回りに回す→ズームイン
【SIGMA】時計回りに回す→ズームアウト
【Canon】時計回りに回す→ズームアウト
どちらでも良ければ特に気にする必要はありませんが、統一したければ確認した方が良いと思います。
Tamron 11-20mm F2.8|まとめ
■広角レンズならこれ・圧倒的広角
■F2.8通しは使い勝手が良い
■比較的コンパクト
□ズームリングの向きがSONYと同じ
□手ぶれ補正同調は純正レンズに劣る
□レンズ径67mm
2|SIGMA 18-50mm F2.8
軽量コンパクト、これに尽きる。
290gという軽さ。
フィルター系55mmというコンパクトさ。
そしてSIGMAの洗練されたデザインがとてもカッコいいこのレンズは、FX30にオススメできる一本です。
18mmスタートのレンズなため、フルサイズ換算27mmスタートの標準大三元レンズです。
F2.8通しという明るさを持ちつつこのコンパクトさはAPS-Cの魅力とも言えます。
このコンパクトさであればジンバルなどに載せた時にも、干渉せず余裕を持たせて運用できそうです。
Point|18mm〜
1つ言えることは広角域が足りないことです。
APS-C用レンズとして18mmスタートのレンズは数多く存在しますが、映像で使用するにはもう少し広角域が欲しいとなります。(経験者は語る)
筆者は望遠寄りを好んで使用しますし、望遠寄りで撮影することが多いです。
ですが、少なくとも望遠だけで映像作品を作ることは考えにくいと思います。
広角で撮影した映像はインパクトが強いため、アクセントとして映像に加えたいものです。
その広角が27mmという点はデメリットとなるかもしれません。
Point|〜50mm
逆に50mmという画角はフルサイズ換算75mmとなります。
75mmまで使えると映像においては十分です。
とても使い勝手がよいと言えます。
1本のレンズで、ある程度の広角(27mm)から中望遠(75mm)まで使用できるのはポイントが高いです。
SIGMA 18-50mm F2.8|まとめ
■軽量・コンパクト
■広角が足りないが、望遠域は十分
■F2.8通し
□ズームリングの向きがSONYと逆
□手ぶれ補正同調は純正レンズに劣る
□レンズ径55mm
3|SONY 16-55mm F2.8 G
さすがSONY、わかっている。
上記2つのレンズで課題だった点、望遠が足りない・広角が足りない問題を1本で解決できるレンズがSONYから発売されています。
さすがSONYです。
16mmスタートとフルサイズ換算24mmの広角。
55mmフルサイズ換算82.5mmの中望遠。
そしてF2,8通しの明るさ。
一般的にフルサイズ用レンズで大三元と言われる24-70mm F2,8とほぼ同じ焦点距離をカバーしています。
コンパクトさは普通…
コンパクトさと軽さ、そして使い勝手の良さ。
いやー難しいですね。
全てを叶えようとする人間は、本当にないものねだりです。
このレンズにはコンパクトさと軽さは、上記のTamron・SIGMAに劣ります。
といっても494gという重量。
フルサイズ用のレンズを使っている人からすると十分軽い部類のレンズです。
このレンズのポイントをまとめていきましょう。
Point|16mm〜
先ほどお伝えした通りフルサイズ換算24mmとなるため、とても使いやすい広角域をカバーできます。
このレンズさえあればとりあえず広角には困らない人も多いと思います。
24mm画角はジンバルとの相性もとても良いです!
Point|〜55mm
こちらも先ほどの通り、望遠側でフルサイズ換算82.5mmの中望遠域までカバーできます。
Bロールなどの、寄って撮影したいカットなどもこのレンズさえあれば完璧ですね。
Point|Gレンズ
このレンズはGレンズとして販売されているレンズです。
そのため、SONYのレンズでは中グレードのレンズとなっています。
このGレンズがとても使いやすく、筆者としてはとてもスッキリした色味が出やすいので気に入っているグレードです。
色味に関しては好き嫌いあると思いますので、実際に店頭などで確認してみてください!
何より「G」のロゴがカッコいい…
ちなみにこのGレンズの上位グレードとしてGM(ジーマスター)があります。
Point|価格
このレンズの最大のネックは価格です。
Tamron・SIGMAのレンズと比べて圧倒的に価格が高くなっています。
SONYストア価格 15万9500円とAPS-C用レンズとしては最高レベルの価格です。
この価格を出してこのレンズを購入する意味はあるのか…
十分にあるでしょう、確実に。
SONY 16-55mm F2.8 G|まとめ
■広角から望遠までをカバー
■軽量・コンパクトさは劣る
■純正・Gレンズ
■F2.8通し
□ズームリングの向きが時計回り(Tamronと同じ)
□純正のため手ぶれ補正同調が効く
□レンズ径67mm
各レンズ比較
画角
■Tamron 11-20mm F2.8はどのレンズよりも広角を得られる
■SIGMA 18-50mm F2.8は画角で優位な点は特になし
■SONY 16-55mm F2.8 Gは標準的な広角を得られる
軽量・コンパクトさ
■Tamron 11-20mm F2.8は比較的軽量かつコンパクト
■SIGMA 18-50mm F2.8は軽量で圧倒的コンパクト
■SONY 16-55mm F2.8 Gは特筆すべき点はなし
価格
■Tamron 11-20mm F2.8は手に取りやすい価格
■SIGMA 18-50mm F2.8は安く手に取りやすい
■SONY 16-55mm F2.8 Gは圧倒的に高い
まとめ
各レンズに特徴があるため、このレンズが1番いいとは言えませんが、今回のレンズラインナップでは
「広角を得たいならTamron」
「コンパクトさ重視でSIGMA」
「純正の安定感かつ標準的なSONY」
という考え方でOKだと思います。
今回はFX30という映像機を元に考えてきたため、広角域を意識した比較になったと思います。
今回は比較をシンプルにするため単焦点レンズを比較対象には入れませんでしたが、いい単焦点レンズや明るい単焦点レンズもたくさん揃っているので、単焦点レンズにも興味のある方は調べてみてください。
それでは、ここまでありがとうございました。
参考になれば幸いです!
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