映像機で撮影する写真
今回はCinema LineのカメラであるSony FX30の写真性能をレビューしていきます。
前半では写真作例と共にレビューを、後半ではメリットデメリットをまとめていきます。
結論から述べると、制限等はあるものの普通に写真を撮影できます!
写真作例
一部の写真はブラックミストフィルターを装着して撮影しています。
また全てMモードで撮影、Raw現像レタッチ時にクリエイティブルックのFLを使用しています。
写真作例1|暗所
Cinema LineのカメラであるFX30で撮影した写真です。
光が拡散しているのはブラックミストフィルターを装着しているためです。
どこか映画のような雰囲気まで感じるのは、ノイズ感が写真機とは違うからでしょうか。
これこそ一眼カメラから一歩踏み出した「映画のワンシーン」なのかもしれません笑
暗所性能はAPS-Cセンサーを搭載した一般的なカメラと同等に感じます。
ですが、どこかノイズが柔らかく雰囲気良く見えるので、そこまで気にならないように感じます。
夜に公衆電話ボックスを撮影した写真です。
これも何かが一般的な一眼カメラと比べて劣るといったようなことは感じられません。
ISOは2500で撮影しています。
写真作例2|夕方
暗部もしっかり残っています。
夕方の空のグラデーションも美しく、暖色〜寒色まで美しい色に感じます。
ここまで見てわかるように特に何も問題のない写真が撮影できます。
写真作例3|室内
室内で撮影した写真ですが、ボケ感も色も良く、逆に写真機なのではと感じてしまう点もあるほどです。
やはり色に関しては、新しい画像処理エンジンであるBIONZ XRが搭載されているだけありますね。
ISO400で撮影すると、ノイズもほぼ感じなくなります。
写真作例4|スナップ
何気ない日常のスナップ写真ですが、APS-CセンサーでもF2.8まで開放すれば、背景も程よくボケてくれます。
いつもフルサイズセンサーのカメラ(Sony α7III)を写真機として使用していると、意外と驚きに感じます。
FX30で写真を撮影するメリット
映像機で撮れる便利さ
まずはFX30はCinema Lineのカメラなので、映像に関する話からいきます。
単純に映像機で写真が撮れるということがとても便利です。
サムネイルの撮影や、ロケハン時の記録撮影・焦点距離確認など、映像を撮影する日やタスクであっても、写真が必要になるタイミングは存在すると思います。
もちろんスマートフォンで撮影してしまうというのも一つの手ではありますが、映像で使用する用のレンズを装着して写真を撮影しておけば、映像のイメージがとても考えやすくなるはずです。
また、単純に一台で完結できるという点もとても良いと思います。
性能や内容を考えるとα7IVに近似する点があります。
ですが、α7IVはやはり写真中心のカメラです。
それに比べてFX30は映像中心で、写真も撮影できるというアプローチのカメラです。
そのため、映像を扱う人にとってFX30は、とても便利なカメラだと思います。
画素数が多い
FX30は画素数が約2600万画素と、比較的画素が多いのが特徴です。
上位機種であるFX3は約1200万画素。
αの映像機であるα7S IIIも、FX3と同じ約1200万画素です。
もちろん低画素機には高感度耐性が強くなるというメリットがあるものの、写真を撮影する際には画素数が少ないと感じ始める可能性のある画素数です。
(※iPhone…1200万画素 ※iPhone14Pro…4800万画素)
写真もある程度の画素数で撮りたいという方はFX30はとても良い選択肢になると思います。
もちろん写真を撮影するためにFX30を購入するのは控えてくださいね笑
色が良い
先ほども少し触れた通り、新しい画像処理エンジンであるBIONZ XRが搭載されているため、とても良い色味で撮影できます。
クリエイティブルックというフィルターのようなプリセットを使用することもできます。
これはBIONZ XRを搭載していないα7IIIとは比べ物にならないレベルで色味に違いがあります。
ちなみにα7IVではBIONZ XRが搭載されているため、色味は比較的似ていると思います。
シャッター音がしない
FX30は電子シャッターのみなので、シャッター幕が存在しません。
=シャッターを切っても、全く音がしません。
音が鳴らないため、気軽に撮影できる現場も多いと思います。
航空機内やバス車内・電車車内など公共かつ音が響くような場所で、無音で撮影できる気軽さは撮影体験が大きく変わります。
モニターが綺麗
FX30は背面モニターが約236万ドットととても鮮明で綺麗です。
上位機種であるFX3で約144万ドット、α7IIIで92万ドットです。
正直α7IIIの背面モニターは綺麗とは言えませんし、撮っていてテンションがあまり上がりません。
背面モニターの綺麗さは撮るという行動のマインドに直結する重要点だと思います。
FX30で写真を撮影するデメリット
モードダイヤルがない
FX30にはモードダイヤルがありません。
モードの切り替えをMODEボタンで行います。
映像機として特に問題は感じないものの、写真を撮る際にはモードの切り替えが必要です。
モードダイヤルがないと一度モードメニューに入った後、画面上でダイヤルを回さないといけないため、切り替えミスや切り替えずらさを感じることも多いです。
シャッター幕がない
先ほどシャッター音がしないというメリットを挙げましたが、もちろんその逆にシャッター幕がないというデメリットがあります。
シャッター幕がないことで動きのあるものを撮影した際に、ローリングシャッター歪みが発生してしまいます。
特に問題のない方も多いとは思いますが、動きのある写真も撮影する可能性のある方は注意が必要です。
(車から外を撮影した際には、大きく歪みが発生しました。)
ファインダーがない
どこまで求めるかは一人ひとりが決めることだとは思いますが、欲を言うなら写真を撮影する時はファインダーが欲しいと感じます。
正直そこまでしっかりと撮影したいときには、写真用カメラを使いますがFX30にはファインダーがありません。
映像機としてもファインダーがないというのは、欠点にもなり得るとは思いますが…。
連写できない
最後のデメリットは連写できないという点です。
FX30では連写ができないので、言葉の通り一枚ずつしか撮影することができません。
撮影を重ねるうちに様々な環境で連写したいと感じることがありますがFX30では連写ができないため、連写できないということを頭に入れておくことが重要です。
(ちなみにシャッターボタンを高速で連打すると物理的な連写は可能です)
まとめ
個人的には、FX30の写真性能に対して必要十分に感じています。
映像機でここまで綺麗な写真が撮影できるということは、とても便利です。
もちろん制限的なデメリットもありますが、そのデメリットを特に感じない人も多いのではないでしょうか。
今回はSony FX30の写真性能についてまとめてきました。
参考になれば幸いです!
使用機材
カメラ|Sony FX30
レンズ|Sony E 16-55mm F2.8 G(一部を除く)
コメント