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SIGMA fpの純正ファインダー、SIGMA EVF-11を徹底レビュー|これはこの上なく絶妙なプロダクト。

fpシリーズ 純正外付けファインダー、EVF11。

今回はSIGMA fpシリーズの純正外付け電子ファインダー、SIGMA ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11(以下 EVF-11)を徹底的にレビューしていきます!

記事タイトルの通り、この上なく絶妙なプロダクトで購入を迷っている方も多いと思うのでこの記事が参考になれば幸いです。

今回はメリットデメリットをハッキリさせるために辛口レビューでいきます。

SIGMA EVF-11はSIGMA fpシリーズ用の電子ファインダーで、見やすく、アングル調整機能もあります。手ブレ防止効果があり、撮影体験を向上させますが、取り付けの複雑さ、大きさ、バッテリー消費、価格がデメリットです。

AIによる記事の要約(β版)
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微妙ではなく、絶妙。

このEVF-11は決して微妙なプロダクトではなく、この上なく絶妙なプロダクトだと思います。

その理由であるメリットデメリットの前に、まずはこのプロダクトがどのようなモノなのか簡単に触れておきます。

EVF-11は、ファインダーのないSIGMA fp・fp Lに電子ファインダー(EVF)を後から増設できるアクセサリーです。

カメラの側面に取り付けることでファインダーが使えるようになります。

強いて言うなら、ファインダーを見て撮影することができるようになるプロダクトなので、ファインダーが覗ける以外の機能は特にありません。

それではメリットデメリットを深掘りしていきます!

メリット

fpでファインダーを覗くことができる

1つ目のメリットは当たり前のことですが、EVF-11を取り付けることでファインダーを覗いて撮影することができるようになります。

やはり写真を撮るという行為にこだわったり、丁寧に撮影したい時はファインダーが欲しくなります。

fpはコンパクトで気軽というメリットがある一方で、コンパクトにするためにファインダーが削られているのでモニター(LCD)を見ながら撮影することしかできません。

そんなファインダーを覗きたいという思いとモニターでしか撮影できないというfpのデメリットを解決してくれるのがこのEVF-11です。

大きく見やすいファインダー

大きくて見やすいファインダーは本当に撮影体験が良くなります。

撮影していて気持ちがいいのはもちろんのこと、MF(マニュアルフォーカス)でのピント合わせや、フレーミングがとてもしやすくなります。

ファインダーの綺麗さは約368万ドットOLEDパネルと十分で、実際の見え方としては個人的にはSony αより綺麗で見やすく、Nikon Zよりは劣るかなといった印象を持ちました。

ファインダー倍率も0.83倍と他の機種と比べても大きく、没入体験は本当に良いと感じます。

ファインダー倍率は少し違うだけで全く見え方が変わってくるのでこの0.83倍というのはとても大きく見ることができます。

参考としてSony α7IVは約368万ドットでファインダー倍率は約0.78倍、Sony α7C IIは約235万ドットでファインダー倍率は約0.7倍です。

と言ってもファインダーは数字上のスペックと実際の見え方には大きく違いがあるので、数字だけでは比較することができません。

少なくともこのEVF-11はミラーレスカメラのEVFとしてとても良い方で、明るさも十分です。

アングルファインダー

アングルファインダーとはファインダーの角度を上90°や斜め45°など、レンズと並行な角度ではないファインダーのことです。

簡単に言えばチルトモニターのファインダー版です。

このアングルファインダーがとてもよく、目線よりも下でカメラを構えることができる上に、カメラを目線まで持ち上げなくてもファインダーが覗けるたためとても撮影がしやすいファインダーです。

アングルファインダーを体験すると抜け出せない沼にハマるほど良いです。

手ブレを防止できる

EVF-11に限りませんが、ファインダーがあるとしっかり構えることができるので、手ブレの防止ができます。

fpはセンサーシフト式の手ぶれ補正がないのでとても効果的です。

fp Lのようにローリングシャッター歪みが出やすい機種だと手ぶれ防止だけでなく歪み防止にもなります。

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デメリット

取り付け方法

まず1つ目のデメリット、取り付け方に難がありすぎるということです。

ファインダーを外付けするため仕方のないことではありますが、それにしても複雑で少なくとも最適化された取り付け方とは言えません。

  1. USB端子カバーを裏向きに曲げる必要がある
  2. 複数の端子を同時に接続する必要がある
  3. ネジがすぐに緩む

まず取り付けるためにはfpの側面の端子カバーを曲げたり外したりする必要があります。

USB端子のカバーは外すことができないので、180°裏向きになるように曲げます。

正直この時点で「端子カバーへの負担が大きそうだし…無理に曲げているからちぎれそう…」となります。

そしてEVF-11から出ている端子類やネジを5本同時にfpと接続します。

その時点で接触不良や端子の破損などの可能性を無視できません。

そして最後にネジを締め上げて取り付け完了です。

ですがこのネジが緩みやすく、EVF-11とfpとの間に隙間やガタつきがすぐに発生します。

もし使用中にネジが緩みEVF-11が外れた場合、ストラップの片方はEVF-11に付いているためカメラごと落下してしまうかもしれません。

取り付けに関しては難しいからか、SIGMA公式で解説動画がアップされています。

知らずに取り付けようとすると普通に破損させてしまいそうですし、知っていても破損させてしまいそうです笑

取り付けに関してはこの3つの点がデメリットだと感じました。

そもそも他メーカーの外付けEVFファインダーであればホットシューに取り付けるだけのものが多く、このEVF-11のようにカメラ側面に複雑な方法で取り付けることは特殊だと思います。

サイズ・デザイン

サイズに関しては見ての通り小さいとは言えないサイズ感です。

このサイズのEVF-11を取り付けてしまうと、fpのコンパクトさを失ってしまいます。

高さ、横幅、奥行き(厚さ)の全ての方向に対して大きくなってしまうため、EVF-11は設計段階でコンパクトにするという方向性は無かったのだろうなと感じます。

横幅に関しては一般的なカメラより広くなってしまうため、コンパクトさを重視しながらファインダーを必須としている人にはそもそもfpがマッチしないと言えます。

そしてデザインですが、SIGMAらしいミニマルなデザインに統一されたフォントでとても美しく感じます。

ですが、個人的にはfp側のデザインを損なってしまうと感じているので、全体としてデザインが良いとは言えない気がしています。

そしてEVF-11はfpの底面まで到達しない浮いたようなデザインで、これにはマイク端子を塞がないという意図と共に、手を添えやすくするというデザインに仕上がっていますが、段差ができてしまうためデザインを見た目という点から考えるとちょっとバランスがなぁと感じてしまいます。

バッテリー消費

バッテリー消費に関しても厳しいものがあります。

fpシリーズは元からあまりバッテリー持ちが良いとは言えませんが、EVF-11を取り付けるとバッテリー消費が1.5倍になっているのでは?と感じるほどバッテリーがどんどん無くなっていきます。

1個のバッテリーで1〜2時間ほどしか持ちません。

もちろん日常の中で数枚記録してく程度であれば問題ありませんが、時には1日や半日スナップに取り組む日もあると思います。

そんな時にはバッテリーを4つは用意したいレベルです。

用意するだけならまだ良いですが、バッテリーを気にしながら撮影する撮影体験やバッテリーの交換の頻度を考えると許容し難いものがあります。

「USBで充電しながら撮影すればバッテリー4つも要らないでしょ…」と思った方もいると思いますが、EVF-11を取り付けるとまさかのUSB充電ができなくなってしまいます。(EVF-11のUSB端子は充電非対応でSSDの取り付けのみ対応)

LCD・EVF 切り替え

EVF-11にはアイセンサーが付いていないため、ファインダーを覗いてもファインダーに切り替わりません。

もちろん逆にファインダーから目を遠ざけてもモニターに切り替わりません。

そのためEVF-11の側面にはLCD EVF切り替えスイッチがあり、ここで切り替えることができます。

瞬間的に撮影したいとき、LCDを見て撮りたい時があると思いますがスイッチを切り替える必要があります。

ですが、EVF-11を取り付けると半強制的にファインダーを覗かなければならない状況が生まれることに加えて、アイセンサー誤動作もないため、メリットと捉えることもできます。

そしてメニュー(設定)やプレビュー時はモニターで表示されるようにする設定があるため、その点の不便さはありません。

価格

最後のデメリットは価格で、希望小売価格は82,500円となっています。

2024年4月現在、新品だと65,000円程度で販売されています。

EVF-11のメリットデメリットを考慮した上でどのような価値を感じるかは人それぞれですが、外付けファインダーに6.5万円は高すぎませんか…?

fpが約18〜20万円ほどなので合計25万円程度で、ファインダー付きのSony α7C IIが24.5万円ほどで購入できることを考えるとやはり高く感じます。

ファインダーの見やすさを考えれば十分な価値があると思いますが、デメリットを考えると頭を悩ませる価格だと思います。

まとめ

今回はSIGMA fpシリーズの純正外付け電子ファインダー、SIGMA ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11を徹底レビューしました。

ファインダーを覗いて撮影するという撮影体験に関しては申し分のない仕上がりですが、プロダクトそのものについても考えていくと正直満足のいくプロダクトとは言えません。

取り外しができるからこそ、ファインダーを付けずにコンパクトでいきたい日とファインダーを付けてしっかり撮影したい日を分けられると思いましたが、取り付けがとても不安なので今のとこそのような運用はしていません。

ここまでのデメリットや細かな不安点を許容してまでファインダーを覗いて撮影したいかと言われれば本当に絶妙なところです。

ですがアングルファインダーや大きなファインダーは本当に気持ちが良いのでぜひ一度家電量販店等で触って見てください!

それではここまでお読みいただきありがとうございました!

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Yusei

Yusei

運営・ライター

京都生まれ大阪育ち、京都市在住。幼い頃にNikonのコンパクトデジタルカメラに触れ、写真を撮り始める。小学生の頃にNikonの一眼レフを購入し、写真撮影を始める。高校入学と共にカメラを本格的に使い始め、映像制作も行う。写真撮影はスナップからポートレート、記録・風景・鉄道など様々。

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コメント

    • いち
    • 2024.04.19 11:58am

    微妙でなく、絶妙というタイトルに
    内容を読んで納得。
    レビューとしても深さがあり
    様々な角度からアプローチされた内容で
    トータルバランスに優れた記事だと思いました。
    検討の参考にさせていただきます。
    他にない絶妙なレビューありがとうございます。

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