これで良い、これが良い。そんな大三元レンズ。

今回は数ある大三元レンズの中でも、驚くほどコンパクトで軽量なSIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | contemporary(以下 SIGMA 18-50mm F2.8)をレビューしていきます。
軽量コンパクトな上に、コスパも最強なこの大三元レンズをレビューしていきます。
この記事の作例はレンズを友人にお借りして撮影しましたが、この後筆者は購入してしまいました…
それくらいオススメなこのレンズは、Sony E・L・FUJIFILM X・Canon RFマウントで展開されているので、多くの人にオススメできるレンズです!
詳しく見て行きましょう!



SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN Contemporaryは、小型軽量でありながら高い描写性能を持つ標準ズームレンズです。特にAPS-Cミラーレスカメラに適しており、開放F2.8の明るさが魅力。コストパフォーマンスに優れ、フルサイズカメラユーザーにもサブレンズとしておすすめ。
AIによる要約

標準大三元レンズとは

まず大三元レンズについて軽く触れておきます。
大三元レンズとはF値(絞り)がF2.8固定(広角から望遠まで開放F値をF2.8で固定できる)のズームレンズのことを言います。
言葉の通り、大三元レンズは広角域(16-35mm)・標準域(24-70mm)・望遠域(70-200mm)の3本があり、今回のSIGMA 18-50mm F2.8は、その中でも標準域の大三元レンズとなっています。
数字上は18mmスタートですが、APS-Cセンサー用のレンズとなっているため焦点距離は1.5倍となり、フルサイズ換算27-75mmのレンズとして使うことができます。
主にAPS-Cセンサーのカメラで使用することが想定されていると思いますが、フルサイズセンサーのカメラでもAPS-Cクロップ機能を使用することで問題なく使用できます!
フルサイズ高画素機をお使いの方へ(クリックで展開)
フルサイズセンサーを搭載したカメラで、高画素機(Sony α7Rやα7CR・SIGMA fp Lなど)を使用している方はAPS-Cクロップモードを使用しても多くの画素が残っているため、軽量コンパクトなこのAPS-C用レンズを使用することで、また違ったカメラとして使用することも出来ると思います。
メリット
驚きのサイズ感と重量
本題ですが、このSIGMA 18-50mm F2.8はそんなAPS-C用大三元レンズの中でもトップクラスの小ささと軽さを実現したレンズとなっており、手にした瞬間「これ本当にF2.8通し?」と感じるほどです。

手がそこまで大きくない筆者が持ってもこのコンパクトさです。
APS-C用大三元レンズの一般的なサイズより圧倒的に小さく、レンズ径も55mmととても小さくなっています。

横に単焦点レンズを並べてみると、ほとんど同じ大きさです。
この単焦点レンズも相当コンパクトなレンズなんですけどね…
重量も290gとなっており、驚くほど軽いです。(ちなみに横の単焦点レンズは295gです)
レンズが小さくて軽いということにとても魅力を感じる人も多いはず。
普段使いするレンズはどれだけ性能が良くても、気軽に持ち運びできることを重要視しているという方は筆者を含めて多いと思います。
初心者の方から毎日カメラを持ち運ぶ人まで、「とりあえず持っておくレンズ・普段使いレンズ」として軽量コンパクトはこの上ないことだと思います。
とは言っても性能は妥協できない…という同士の皆さん。
大丈夫です、次に行きましょう。
ビルドクオリティ

SIGMAのビルドクオリティ(完成度・剛性)にはいつも驚かされます。
SIGMAによると、軽くするために金属ではなくポリカーボネートを使用したとのことですが、ポリカーボネートとは思えない質感と操作感があります。
筆者は“I series(アイシリーズ)”のレンズを所有していますが、I seriesを高級感とはまた違ったクオリティを感じます。
軽量コンパクトを目指しつつも、質感や使用感・操作感は妥協しないというこだわりを本当に感じます。
なによりズームリングの滑らかさとトルク感が堪りません。
逆にフォーカスリングは少し軽めのトルク感ですが、Sonyのフォーカスリングも軽いものが多いですし、映像をMFで撮影しない限り大きなデメリットにはならないでしょう。


※タップで写真を拡大表示
レンズデザイン
ズームリングとフォーカスリング
SIGMA 18-50mm F2.8はズームリングとフォーカスリングの2つのリングがありますが、前玉側にズームリング・後玉側にフォーカスリングがあります。
これはSonyのE 16-55mm F2.8 Gなどと比べると逆になっていて、一般的なレンズはSonyと同じ順番に配置されているのもが多いと思います。

【左】SIGMA 18-50mm F2.8は上にズームリング・下にフォーカスリング。
【右】Sony E 16-55mm F2.8 Gは上にフォーカスリング・下にズームリング。
このような違いがありますが、気になる程ではないと思います。
設計上このような配置になっているとのことで、特に違和感は感じませんが人によってはメリットデメリットになりうるのでここで取り上げておきました。
しっかりとした描写性能
どれだけ軽量コンパクトでも写りが良くなければ…ということで、実際に作例を見ていきましょう。

いきなり逆光で撮影した写真というレンズにとっては厳しい条件ですが、この写真から見ていきます。
コントラストが低下することもなく、とても良いしっかりとした描写に感じます。
暗部が潰れすぎることもなく色も綺麗です。
この写真では開放ではなくF4に絞って撮影していますが、正直筆者はこの写真がこの小ささのレンズで撮影できたことに驚きを感じました…
18mm換算27mmという比較的広角な画角ですが、この程度の広さがあれば写真撮影で不便に感じることはないと思います。

もちろん大三元レンズなのでF2.8の作例もどうぞ。
背景のボケ感ですが、とても滑らかで個人的には言うことのないボケだと思います。
比較的平らな背景ではあるものの、ボケがうるさくならないこのレンズは恐るべしです。
前ボケも美しく、フルサイズセンサー・フルサイズレンズほどボケはしないものの、十分なボケ感を得られると思います。

逆にF16まで絞ってみました。
パンフォーカス(手前から奥までピントが合う状態)で撮影したい場合、広角で絞ることが一般的ですが、50mmの望遠端でF16にまで絞っても比較的全体にフォーカスが合っていると思います。
これはAPS-Cセンサーで撮影したおかげかもしれませんが。
さすがにF16にまで絞ると少しだけ解像力が落ちるものの、筆者はそこまで気になりませんでした。(逆に周辺がスッキリするような気もします)


※タップで写真を拡大表示
ズーム域は上の写真の通りです。
換算27mmから75mmまでとなっているためズームの域自体は十分ですが、広角側が27mmのため少しズーム域が短いように感じました。
これは普段使用しているレンズが24mmスタートのレンズだからだと思います。
逆に望遠側は一般的に70mmのものが多いですが、70mmと75mmの差はほとんど感じられませんでした。
とはいえ少しでもズーム域は長い方が使いやすいので50mm(換算75mm)まであるのはありがたいことです。
その他の作例



デメリット
描写関連のデメリット
コスパも良く、軽量コンパクトなレンズなのでどこまで求めてどこまで許容するかは皆さんの感覚だと思いますが、事実は事実としてお伝えしていきます!
本当に良いレンズだと思っているので、厳しめにデメリットも記載させていただきます。
フリンジ(滲み)

広角側では、比較的多くフリンジが発生してしまいます。
フリンジはどのレンズでもほぼ必ず発生するものですが、このレンズでは気になる程度に発生しています。
特に周辺でのフリンジは多く、青や赤紫のフリンジが多くみられ、上の写真では下側の幹の周辺にフリンジが盛大に発生してしまっています。
逆光・広角などの条件が合わさると盛大にフリンジが発生してしまうことがあることを知っておいた方が良いと思います。
写真では補正ができたりしますが、映像だと補正できないことも多いので注意が必要です。
歪み・周辺減光

コンパクトなレンズなので、写真は大きく歪んでしまいます。
これはミラーレス時代になってカメラでの補正性能が向上したために、レンズ側では補正ぜずにその分コンパクトにするという設計になっていると思うので、気にするほどではないかと思います。
また、周辺が暗くなってしまう現象「周辺減光」も比較的大きく出てしまいますが、「周辺減光補正」と「歪み補正」をカメラ・ソフトなどで後からしっかりと使用すれば特に問題無しです!
ちょっと暗い気がする…?
同じF2.8でもレンズによって多少明るさが異なることがあります。
個人的に他のレンズでレンズによる明るさの違いは今まで気になったことがありませんでしたが、このレンズとSonyのE 16-55mm F2.8 Gを比較すると、SIGMA 18-50mm F2.8の方が少し暗く感じたので取り上げておきます。
周辺減光による錯覚の可能性も大いにありますし、そこまで気にするようなことでもないと思いますが…。


※タップで写真を拡大表示|いずれも撮影設定は同じ
マゼンタ被り
少し色がマゼンタに寄っていることが多く、現像時に補正してあげることで逆にこってりとした色を作ることができましたが、全体的に少し色被りしているように感じました。
若干赤っぽいような青っぽいような…

レンズ本体関連のデメリット
ズームリングの向き

Sony・Nikon・Tamronなどのレンズはズームリングを時計回りに回転させるとズームしますが、SIGMAのレンズはこの逆の反時計回りに回転させることでズームします。
Canonでも反時計回りのズーム方向が使われているため、人によっては全く気にならないかもしれませんが、SonyやNikonを使用してきた筆者にとっては、とても違和感を感じました。
撮影中に逆に回してしまうことが何度かありました笑
ここは慣れの問題でもあると思いますが、ズーム方向を統一したい方にはオススメしにくいです。
スイッチ・ボタン類

このレンズにはAF/MF切り替えスイッチやフォーカスホールドボタンなど、スイッチ・ボタン類が全くありません。
フォーカスホールドボタンは少しレベルが高い人にしか必要ないかもしれませんが、AF/MFの切り替えスイッチは使用頻度が高いため欲しかったなぁと思ってしまいます。
もちろんこれも軽量コンパクトのためだと思うので、逆に潔く省略していただいて良かったとも言えます。
スイッチ・ボタン類を多用する方は注意が必要です。
絞りダイヤルがない
絞りダイヤル(リング)がSIGMA 18-50mm F2.8にはありません。
軽量コンパクトなレンズを求めている方の中には軽量コンパクトなカメラを使用している方も多いと思いますが、そのようなカメラにはダイヤル類や少なく、シャッタースピード・F値(絞り)・ISOをカメラのダイヤルだけでは足りずにコントロールできないこともあると思います。
そこでレンズに絞りダイヤルがあることで救われる…というカメラも多いと思いますが、このレンズには絞りダイヤルがないため注意が必要です。

謎のスリット
スリット(溝・切れ目)があることで、指が引っかかりズームリングやフォーカスリングが回しやすくなります。
ですがこのレンズには謎の部分にスリットがあり、フォーカスリングを回すときにフォーカスリングと勘違いしてしまうということがありました。

このズームリングとフォーカスリングの間にあるこのスリット。
これは何のためにあるのでしょうか…
ズームリングからフォーカスリングに指を滑らせて移動させるときに、このスリットでフォーカスリングに辿り着いたと認識してしまうので注意が必要です。
まとめ



今回は、驚くほど軽量コンパクト、そしてビルドクオリティも描写性能も申し分ない最高のAPS-C用標準大三元レンズ、SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | contemporaryをレビューしてきました。
レンズにおけるデメリットはとても細かいものが多く、数としては多く取り上げていますが、事実は事実としてお伝えすることでこのレンズのメリットが本当に際立ってくると思い取り上げさせていただきました。
このレンズは筆者にとって驚きが詰まっており、本当にオススメなレンズであることは確かです。
少しでも気になった方はぜひ家電量販店やレンタルを活用して触ってみてください!
今までの常識を壊される感覚に陥ります笑
ちなみに筆者は「LマウントモデルをSIGMA fp Lにつけたいなぁ」と妄想しています(この後購入しました)。
ここまでお読みいただきありがとうございました!

+Mono|クロスモノではSIGMAに関する記事を他にも更新中です。ぜひ合わせてお読みください!
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初めから「購入するのは少し躊躇する…」という方は、まずはレンタルで試してみることをオススメします!
今回レビューしたレンズ以外にも、FUJIFILMの単焦点レンズをたくさんレンタルして、自分に合ったレンズを見つけてみてください!
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使用機材
カメラ|Sony FX30
レンズ|SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | contemporary

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めちゃくちゃこのレンズ欲しいんですが、Amazonで買えるこのレンズは
正規品の新品なんでしょうか?
家電量販店では手に入らなくて…
このリンク先のAmazonでは今も買えるようなんですが、買っても大丈夫なんですかね?!
2023年12月21日時点の状況だと、Lマウント用は安全に購入することができると思います。Eマウント・Xマウントのものでも偽物であることはないと思いますが、現状SIGMAが受注停止を発表しているためこちらとしては正直なんとも言えません…Amazon発送にこだわらなければ在庫のある販売店から購入することができそうです。